大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和44(あ)52 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人小池貞夫、同後藤昌次郎の上告趣意第一点は、一審第三回公判調書の記載

が正確性を期し難いことを前提とし、右調書に記載されている証人の供述記載に基

づき、一審判決の事実認定に誤りがないとしている原判決は、憲法三一条に違反す

る旨主張しているが、被告人および弁護人が、右公判調書の記載の正確性について

の異議の申立てをした形跡はないのみならず、一審記録が控訴審に送付されるに先

立ち、一審第三回公判調書に裁判官の認印が押捺されたものと証拠上認められるか

ら、右公判調書の記載に正確性を期し難い旨の主張は、採用できない。従つて、こ

の主張を前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠き、上告適法の理由にあたら

ない。同第二点ならびに被告人の上告趣意は、いずれも事実誤認の主張であつて、

刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。また、記録を調べても、同法四一一条を

適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

昭和四四年四月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 松 本 正 雄

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 飯 村 義 美

裁判官 関 根 小 郷

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!